畳で寝る

日本人が畳を好む理由
 日本人の生活様式がだんだんと欧米に近くなり、住宅の洋風化であるマンションの建設も多いなか、和式建築でもっとも残っているのは畳敷きであるといわれています。床がフローリング材に覆われた洋室ばかりになっても、せめてベッドだけは畳にしたいと思うのはなぜでしょうか。

畳にはいろんな効用がある
 畳の材料のい草は、茎の中央がまるでストローのように空洞になっているため、畳の効用はさまざまです。まずは自己調湿性。部屋が湿気を帯びてくると湿気を吸収し、乾燥すると適度の水分を放出してくれます。 現代の気密性の高い住居ではひじょうに便利です。畳の部屋で寝た場合、一晩でかいた汗の3分の1を畳が吸収してくれるそうです。畳にはこんな優しい機能があるので、畳の部屋にいると心地よく感じるのです。
 つづいては断熱性、保温性です。畳の床はコンクリートに比べて、ずっと座ったり寝そべったりすると底冷えします。い草の中の空洞には空気の層がたくさんあって、その空気はお互いに熱を伝えにくい特徴があります。そのため、いつまでも暖かい状態で眠ることができます。
 畳に使用している蘭草には、強い抗菌性があります。サルモネラ菌・ブドウ球菌・腸管出血性大腸菌(O-157、O-26、O-111)・バチルス菌・ミクロコッカス菌などに抗菌性を示し、繁殖を抑えることが実験で証明されています。
 また畳には、空気の浄化作用もあります。二酸化窒素を蘭草が吸収し、部屋の濃度を 60分間で10分の1に減らすことが示されております。さらに、蘭草とわら畳床がホルムアルデヒドを吸着して部屋の空気を浄化している可能性があります。
 わら畳は優れた吸音性・遮音性を持っており、静かで優しい空間を作り出しています。条件にもよりますが、フローリングの部屋に比べて音の大きさは約半分になると言われています。
 それから芳香性です。い草は香りがよく、「快い」と「自然な」の中間にあたり、匂いを嗅ぐと気分が落ち着くアロマテラピー効果があります。嗅覚的にも畳が優しい材料であるとの研究報告をしています。
 そして、最後に弾力性です。畳の床はまるでクッションのようで、膝をついても寝転んでも衝撃が少なく、痛くありません。マットレスのように柔らかすぎず、横になるとちょうどよい自然な姿勢が保たれます。また、このような効能から、昨今では「畳ベッド」が開発され、人気を評しています。